2026-03-15 更新

梅酒とプラムワインの違い -- 海外で「Plum Wine」と呼ばれる理由

海外のレストランや酒屋で「Plum Wine」と書かれたメニューを見たことはありませんか? 実はこれ、私たちが知っている「梅酒」のこと。しかし梅酒は厳密にはワインではなくリキュールです。この記事では、梅酒とプラムワインの違い、なぜ海外でそう呼ばれるのか、そして正しい理解の仕方を解説します。

結論:梅酒はワインではなく「リキュール」

ワイン = 果汁を発酵させたお酒
梅酒 = 蒸留酒に果実と砂糖を漬け込んだお酒(=リキュール)

ワインはぶどうなどの果汁を酵母で発酵させて造ります。一方、梅酒はホワイトリカーや焼酎といった蒸留酒に青梅と氷砂糖を漬け込んで造ります。発酵工程がないため、酒税法上も「リキュール」に分類されます。

製法の違いを比較

項目梅酒(Umeshu)ワイン(Wine)
製法蒸留酒に果実を浸漬果汁を発酵
原料青梅 + ベーススピリッツ + 砂糖ぶどう(果汁)
発酵なしあり(酵母による)
アルコール度数8〜17%12〜15%
酒税法上の分類リキュール果実酒
甘味砂糖を添加果実由来(辛口〜甘口)

梅酒の歴史 -- いつから飲まれている?

梅酒の起源は江戸時代にさかのぼります。当時は焼酎に梅を漬け込む「梅焼酎」として親しまれていました。現在のような氷砂糖を使った甘い梅酒のスタイルが定着したのは、1959年に「果実酒の自家醸造」が酒税法で認められてからのこと。

家庭で梅酒を漬ける文化は日本独自のもので、毎年6月の梅の季節になると、スーパーには青梅・氷砂糖・ホワイトリカーが並ぶ光景が風物詩になっています。

海外で「Plum Wine」と呼ばれる理由

梅酒が海外に紹介された1970〜80年代、英語圏の消費者にとって「リキュール」は度数の高い甘い酒(リモンチェロやグランマルニエなど)のイメージが強く、梅酒の穏やかな味わいとは結びつきにくかったのです。

一方、甘くてフルーティーな梅酒の味わいはデザートワインに近く、日本料理レストランのメニューでは「Plum Wine」と書いた方が注文されやすかった、という実利的な理由もありました。

近年は「Umeshu」という表記が世界的に普及しつつあります。チョーヤ梅酒をはじめとする日本のメーカーが海外展開を進め、「Umeshu」というカテゴリー名の認知度が高まっているためです。

「梅」と「Plum」は同じ果物?

実は、日本の「梅(うめ)」と西洋の「プラム」は植物学的に別の品種です。

梅酒に使う青梅は、食べると酸っぱくて苦い未熟果。西洋のプラムとは見た目も味も使い方も大きく異なります。そのため、厳密には「Plum Wine」は二重に不正確な翻訳ということになります。

正しい英語表現は?

英語で梅酒を説明する際は、「Umeshu is a Japanese liqueur made by steeping green plums in spirits with sugar. It is often called 'plum wine' but it is technically a liqueur, not a wine.」と伝えると正確です。

梅酒の主なメーカー

梅酒をもっと知るなら、代表的なメーカーのページもぜひご覧ください。